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「永井荷風論」という書名に惹かれて購入したが、章名には「夏目漱石論」「地政学と経済」「中国の古代性と両岸問題」とあるのみで、そのうち「夏目漱石論」に荷風の作品に対しての言及が見られるのみであり、全く「羊頭を掲げて狗肉を売る」類である。思うに、永井荷風に関する書籍に対する人気に便乗したのであろう。内容も、荷風論としては全く新しい見解はない。

近年の日本の学術水準は目を覆うばかりの惨状である。本物の学者がいない。筆者は右派の論客として知られてきたが、学問に取り組む基本前提には政治的意味での左右はない。産学協同路線を無批判に受容してきた日本の学術界は手痛いしっぺ返しをうけるであろう。右も左もぶっ飛ばせ的には読んではならない一書。

施設に関するコメントや当時のエピソードが添えられており、昨今流行の廃墟写真集とは一線を画すものとなっています。 美しい景色の中に残されたこれら戦争の遺物には、異様な存在感がありますが、そこには悲しい過去があった事をあらためて思い知りました。 貴重な証言として、元特攻隊員のインタビューも掲載されています。これは新刊「特攻〜最後の証言〜」でより詳しく語られていますので、興味がある方はご覧ください。廃墟となった施設が必要とされていた時代の「生の声」を聞くことが出来ます。戦後60年を経て、次第に当時のことを知る方たちが少なくなっている中、貴重な証言集だと言えます。 また、今では現存しない「立川基地跡」の鮮明な写真が掲載されているのも驚きました。最後に…戦争廃墟に関しては、興味本位で訪れる非常識な人たちによって貴重な遺産が荒らされる事が無いよう、心から願ってやみません。★★★★★

家族がほしがっていたので購入。バカの壁などとは少し雰囲気がちがう装丁で読みやすそうです。